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研究テーマ3

「食品選択、食事内容構成の意思決定と健康リスクコミュニケーションの要件」
科学研究費基盤研究(A)(新山研究代表)2019年度~2022年度

研究テーマ3

食品選択、食事内容構成の意思決定と健康リスクコミュニケーションの要件

研究目的

これまで研究テーマ2のように食品安全分野で市民のリスク知覚構造の解明と双方向リスクコミュニケーション(RC)モデルの開発に取り組んできた。

 

また、過去には食品購買時の情報処理研究を実施してきた。

 

それらの成果を食品リスク回避行動、食事内容構成の意思決定行動の解明、食生活由来の健康RCに拡張する。

  • 過敏なリスク回避行動、拒絶反応の原因および軽減に有効な情報提供の研究

  • 食事内容構成とその意思決定要因と健康リスクコミュニケーションの研究

研究課題1

食品由来リスクへの過敏な回避行動は、福島第1原子力発電所事故後の福島県産農産物の買い控えが今に至るも継続しているように、産地や事業者に大きな打撃を与えることがある。

 

第1課題として、改善が困難とされてきた「拒絶反応の心理的原因」を究明し、「科学情報提供の改善策」を探求する。

 

行動経済学、社会心理学の理論を導入し、提供情報内容の構成、情報量への消費者のリスク反応を、情報の視認、情報の段階的提供などから検証する。

研究課題2

「食事内容構成とその意思決定要因、健康リスクコミュニケーションの研究」 

小課題1
「食事内容構成とその意思決定に対する影響要因に関する調査研究」

これまでの研究において潜在的な健康リスクが懸念される食事パターンをとる人々の割合が高いことが確認された。

 

本研究では、その食事パターンをとるに至った「内的判断要因」を解明し、「改善に有効な情報」の手がかりを得る。

 

消費者行動論に基づき、「食事内容構成の意思決定」を認知的なプロセスとして分析し、意思決定に影響を与えている考慮要素、内的な食慣習・食事ルール、健康イメージを抽出する。


研究は日仏の比較によって進める。

1)食事内容構成の意思決定プロセスの概念モデル仮説の構築
2)食事内容構成の意思決定要因の市民面接調査

概念モデルと日本の市民面接結果をまとめ、Far Eastern UniversityISTHIA, Toulouse UniversityⅡが共同で開催したAsia Euro Conferenceにおいて報告

Niiyama, Y., Ueda, H., and Osumi, A. Decision Making and Norm in Constructing Meal Pattern, 7th Asia Euro Conference 2018: 7th Asia-Euro Conference 2018 in Tourism, Hospitality and Gastronomy, Far Eastern University, Manila, November 14-17, 2018

現在、フランスの市民面接調査を、Prof. J. P. Poulainと共同で実施
 

3)健康および健康リスクイメージと食生活に関する市民面接調査

調査準備中

4)食事内容構成の意思決定要因に関する構造解析

1)〜3)を元に実施予定

小課題2
「社会的な食慣習・食規範の歴史的な形成・変容に関する文献的研究」

社会的な食慣習の形成プロセスを、和食の概念とその形成・変容史として検討する

小課題3
「食生活由来の健康リスクコミュニケーションの実施」

小課題1・2の結果を元に、健康リスクについて双方向RCモデルを拡張し、コミュニケーションを実施して、市民にとって有効な情報を検証する。


フードシステムにおける専門職業サイドにおいてもRCを実施し、職業倫理を踏まえ、市民の食生活と健康に寄与する食品提供のあり方を吟味する場を設ける。


合わせて地域圏における食環境/フードシステムの望ましいあり方を探索する。

先行して以下の研究を実施
 

1)京都における市民の食生活環境と地域企業の役割に関する調査研究
2)フランスにおけるテリトリアルフードシステムと地域圏食料プロジェクト

  に関する調査研究

フランスの調査研究を学会報告

新山陽子・大住あづさ・上田遥「フランスにおける地域圏食料プロジェクトとそこに至る政策-トゥルーズ市の事例を踏まえて-」日本フードシステム学会2020年度大会、2020年6月

© YOKO NIIYAMA Laboratory